私に恋を教えてください
しかし、会社ではそうもいかない。
もしも……もしも大事なゆーちゃんを泣かすようなことがあったら、マジこ◯ス!!

「透悟くん、大丈夫だから。私、いつまでも甘えている訳にはいかないでしょう。だから、これでいいんだと思うの」

応援してね?
その柚葉の声に、透悟はぐうの音も出ない。

「……分かったよ。けど何かあったら、絶対言って」
「分かったわ」

笑顔でその場を収めてしまった柚葉に笑顔を向けつつ、祖父である成嶋炯は心の中でエールを送る。

もちろん柚葉に何かあれば、その時敵になるのは透悟ばかりではなく、成嶋も榊原も黙ってはいないんだろうなぁと、ワインを飲みながら思った。

そうして、榊原家の夜は更けていったのである。



──張り切って、早く起き過ぎてしまった!!

榊原柚葉は、今日からお世話になる会社の前で、ビルを見上げて、ぎゅっっとこぶしを握っていた。

駅前にあるタワーと呼ばれるビルは、複合ビルである。
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