私に恋を教えてください
だから表立って、透悟がこんな風に言うことは珍しいのだ。

「透悟はお姉ちゃんっ子だなぁ」
「異常ですけどね……」

そのつぶやきは透悟の横から聞こえたものだ。
透悟の年子の妹、愛華(あいか)の声だった。

彼女こそは、透悟の唯一のライバル。
「何か言ったか?」

「いえ?別に?ゆーちゃん、本当にお勤めしてしまうの?お忙しくなったら、お買い物も行けなくなっちゃう……」
愛華は悲しそうな顔を、その整った顔に浮かべる。

「愛華ちゃん、お休みの日は一緒にお出かけしましょうね。」
柚葉は、愛華に優しく微笑みかける。

──この……っ、腹黒猫被りが!!

心の中で罵る透悟だ。
愛華はふんわりとして見えるけれど、愛華のコレは計算なのだ。
それも120%。

愛華は子供の頃から、柚葉にも積極的に甘えたり、ゆーちゃん、透悟がいじめるの……と目薬を点したりしたものだ。

『まあ、透悟くんだめよ?』
それで愛華は柚葉にきゅうっと抱きついて、透悟に舌を出したりするのだ。

柚葉をいじめようものなら、この2人から壮絶な復讐を受けることとなる。
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