私に恋を教えてください
「あの……課長?」
「こんな時にも課長?」
須藤が苦笑していた。

「ではなくて、駆琉さん」
「なにかな?」

「う……まく、できなかったら、その……」
「そうだなぁ。この場合うまくできなかったら俺の責任かな」
だから柚葉は身を任せてくれれば、大丈夫。

優しく耳元で囁かれた言葉に安心して目を閉じた柚葉は、ぎゅっと須藤に抱きつく。

唇が重なり深いキスになった。
それだけでも、息が上がってしまいそうな柚葉だ。

抱きしめられて……息がとまりそう。

心臓の音は先程から大きく響いて、須藤にまで聞こえているんじゃないかと思う。
バスローブ越しの体温と、時折擦れる素肌。

「柚葉……」
聞いたこともないような甘い声が耳元で響く。

「……ん」
その声と、ふわりと触れる息に、背中がぞくんと痺れた。

「あ……」
「いい。そのまま感じてて」
息だけが触れていた耳に、そっと唇がつけられるのが分かる。
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