私に恋を教えてください
たくさんの人を見てきた祖父だからこその慧眼に柚葉は感心する。
あの駆琉を『竹』と表現するとは。ぴったりのイメージだ。

「竹……ぴったりですわ」
柚葉が笑うのを見て、貴広と悠真は顔を見合わせた。

「柚葉、大人になったね」
「ずっと大人でしたけど」

「うーん、そうなんだけど。今までは皆の柚葉って感じだったけれど、大事にしてくれる人が出来ちゃったんだなぁって感じ」

「寂しいですね、お父さん」
ボヤく貴広に悠真が笑顔を向ける。

「お嬢さんを俺にくださいっ! とか言うのに、ダメだ許さんって、ちゃぶ台返しするのが夢だったのになぁ。自分の子供の時は出来なかったし。お前達は絶対結婚するって思っていたから。悠真とさくらちゃんの場合はタイミングだけだったしなぁ。それに悠真はさっさと決めちゃうしさ」

「成嶋さんもそういうタイプではなかったですしね」
貴広はくすりと笑う。

「そうでもなかったぞ。あれでも、うじうじ言ってたんだからな。けどお前達には言っても無駄だろ。だから言わなかっただけ。あれはあれで笑えた」
「ひどいな……」
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