私に恋を教えてください
柚葉にあげたもの
「柚葉」
帰り際に駆琉に声を掛けられた。

「今日、うちに寄って行かないか?」
確かに今週はクリスのことがあって、慌ただしくて、二人でゆっくり過ごすことが出来なかった。
こんな風に言われることは、とても嬉しい。

「はい」
そう返事をした、柚葉の頭をふわりと駆琉が撫でる。
「柚葉を補給したい。週末、ゆっくり過ごしたいんだけれど、構わないかな」
「一緒に……ですよね」

「そう、二人で。週末は何したい? ドライブ? ショッピング? それとも、家でまったりする?」
あの、居心地の良い家で、まったり…はとても惹かれる。

「おうちでまったり、って……?」
「そうだな。映画を見たり、近くにランチに行ったりね?」

駆琉の車でドライブに行くのも好きだし、一緒にショッピングも行ってみたい。
その顔色を見て駆琉はそっと、柚葉の頬に指を滑らせる。

「そうだなぁ、柚葉の好きなこの前のカフェとか行こうか? 散歩していくにもちょうどいい距離だし。あそこは他にもオムハヤシとか、すごく美味い」
「素敵なお店でしたね」

柚葉が買って帰った焼き菓子は家族にも好評で、特にお菓子作りが趣味の透悟には他のものも食べてみたいと熱烈なリクエストをもらっていた。
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