私に恋を教えてください
1人でも来ることがあるというその店は、オーナーシェフがその日に仕入れたものを食べることが出来るお店だった。
料理は一期一会なのだと聞かされ、つい頼みすぎてしまった。

『ウチはこの前のアレ、があるとは限らないんですよ』

そう悪戯っぽく笑う素敵なシェフで、シェフの方も美味しいです!と素直な笑顔を向ける柚葉を気に入ってしまったようだ。
色々薦めてくれるので、おまけのクリームブュリュレは一口サイズでなかったら、食べきることはできなかっただろう。

「とっても美味しかった」
「それは良かった」

「今度は、ぜひ手料理をご馳走させてくださいね」
「え……」
駆琉が困ったような顔をしている。

「あ、いらないですか?」
「ん……じゃなくて、いいなと思ってね。そんな風に言ってもらえると。一人じゃないんだなってすごく思うから。嬉しいよ。一緒に食べよう」

「ごめんなさい……差し出たことを……」
自分で言っておいて、急に恥ずかしくなってしまう柚葉だ。

「差し出たこと、なんて言わないで柚葉。俺には何でも言っていいんだよ。わがままでも」
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