私に恋を教えてください
切なげな瞳で見上げられて、柚葉にはそれを拒否することは出来なかった。

そんな恥ずかしいって思いも全部……なんて……。
けれど、全部駆琉が欲しがるものは全部あげたい。

「手……っ、繋いでて……」
左の手の甲で口元を抑えながら、柚葉は右手を駆琉に差し出す。

ふわりと駆琉は解けるように笑って、その表情に柚葉は釘付けになった。
すごく、好き……。

「もちろん。いいよ」
指を絡めて手を繋いでくれたら、それだけでも安心できるから。

絡まった指から、優しい気持ちや愛しい気持ちや、そんなのまで伝わる気がして、きゅっと柚葉はその手に力を入れる。

身体を重ねるのは、欲だけのためじゃない。
その温かさや触れ合う肌の近さや、吐息もそして羞恥の気持ちまでも、共有して気持ちを伝えたいからだ。

愛してる。
あなたが欲しい。
全部欲しい……ただその感触を、温度を分かち合いたい。

「……んっ……」
そんなところに、唇が触れていいのはあなただから……。
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