私に恋を教えてください
「慌てないで。そのまま聞いて。家の親が柚葉と食事をしたいと言っているんだけど、構わないかな?」

しばらくして、そっとバスルームのドアが開いた。
「あの……駆琉さんは?」

「俺はこの前柚葉のご両親に紹介してもらってすごく嬉しかった。もちろん、うちの親にも紹介したいと思うよ? 柚葉が嫌でなければ」

こくっと柚葉の喉が動くのが見える。
緊張したのだろう。

ゆっくり柚葉は頷いた。
「駆琉さんさえ、よろしければ」

「ディナーということだから夜になると思う。では、OKで返事をするね」
駆琉は柚葉の濡れた頭をポンポン、と撫でる。

「大丈夫だから。しっかり温まって出ておいで」
ドアを閉め、受話器に耳をあてる。

『聞こえていたわよ』
くすくすと笑う母の笑い声。

「お願いします」
その後待ち合わせを決め、電話を切った。

リビングのソファでメールをチェックしていると、頭にタオルを巻いた柚葉が何やら不安げな顔でリビングの入口に立っている。
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