私に恋を教えてください
須藤は先日のことを思い出していた。
確認します、と残ってまで作業していた柚葉の姿だ。

「そういえば……本人がいたく気にしていて、先日も入力の見直しだかで残業していたな」

それだ!と侑也がパチンと指を鳴らす。

「俺の部下と分かってやっているのだとしたら、相応のお仕置きが必要だと思わないか?」
侑也に浮かんでいる凶悪な笑みを見て、須藤は怖……と心の中で漏らした。

「まあ、うちの会社でデータの改ざんは問題だし、それって相応の知識がないと出来ないだろう?出来るメンバーは限られているんじゃないのか?」

「そうだな。かと言って、軒並みお前かお前かと聞いて回るわけにもいかないだろう?」
須藤は侑也の言いたいことに、察しが付くほどの付き合いはある。

「分かった。甘えた覚えはないが、確かに気付かなかったことの責任はあるからな」
須藤のその答えに侑也がにっと笑う。

「お前もたまには使わないと腕が錆びちゃうと困るからな」
「言ってろ。錆びるわけないだろうが」

須藤駆琉(すどう かける)は、単にマネジメント事業部の一課長と言う訳ではない。

この会社のメイン商品であるシステムを作ったメンバーの一人でもあるのだ。
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