私に恋を教えてください
「君のやった改ざんは『私電磁的記録不正作出・同供用罪』と言ってね、刑法に触れる犯罪なんだよ。さらに許可なく他人のIDとパスワードを使って、システムにアクセスすることは不正アクセス禁止法にも引っかかる」

「どういう事なの?」
彼女は徐々にトーンダウンしていく。
「刑事告訴されても、文句は言えないってことだよ」
その場にいた男性からも、ため息まじりの低い声が聞こえた。

「だってそんなことになるんて、言わなかったじゃない!」
「むしろ、知らなかったことの方が驚きだよ!だから、軽率な行動をしたんだな」

「自分がどれほどのことをしたかは分かっているんだな」
侑也の声に、男性はがっくり項垂れている。

「馬鹿な奴に踊らされました。それでも、気がある風なことを言われて、その気になってしまった。反省しています。けれど、許されることではないことも分かっています」

「本来なら、懲戒解雇であることも?」
「はい。文句は言えない」
男性と常務である侑也とのやり取りを見て、女性は息を呑んだ。

「それほどの、事だよ」
ひっそりと須藤が言う。
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