私に恋を教えてください
「はい。差し入れです」
「ありがとう!」

侑也は嬉しそうに、するりとラッピングのリボンを解いてボックスを取り出す。

「柚葉ちゃん、見てごらん」

チョコレートでありながら、まるで宝石のように箱に納められているその様子は確かにもらった人を喜ばせるようなものだった。

「本当……。すごく素敵ですねぇ」
「うん。これをニュースで見た時からどんなものか食べてみたかったんだよね」

「喜んでいただけて良かったです」
「ねえ?」

侑也が柚葉の手を取った。
急に手を取られて柚葉はドキッとする。

「お礼、と言うなら柚葉ちゃんが食べさせてよ」

「え?それは……」
「それはお礼として、受け取るから」
ね?と侑也は笑って首を傾げる。

大人の侑也は甘えるのも上手で。
お礼と言われれば柚葉には断りづらいし、悪気のない表情でそんなことを言われれば、何となくそれでいいような気もしてしまう。

「えっと……」
柚葉はチョコレートを1粒、手に取った。
「これで、いいですか?」
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