私に恋を教えてください
こんなに真っ赤になって抱き寄せられても抵抗しなくて、答えは出ていると須藤は思ったけれど柚葉が言うには初めて、なのだ。
無理強いをするつもりもない。

願いのように、柚葉の耳に囁いただけだ。
「俺のこと、考えて?」


戻ってきた柚葉はなんだかぼうっとしていて、普段の柚葉らしくないと侑也は思った。

「柚葉ちゃん?」
「は……い」

「大丈夫? なにか須藤に言われた?」
「いえ! あの、別にそれは……大丈夫です」
手でぱたぱたと顔を仰いでいる。

──叱られた、とかではなさそうだが。まさかな……。

「春野さん!」
侑也が春野を呼ぶ。

「はい。何ですか?」
「少し外す。柚葉ちゃんを頼む」

そう言うと、春野にまじまじと見られる。
「……う、何だよ、その目は」
「いえー?本当に大事になさってるんだなーって思いまして」

「っつーか、目を離せないんだよ!放っといてみろ!一瞬にして連れて行かれるぞ」

いや、子供じゃないんだから、大丈夫でしょう?と春野は思うが、とにかく侑也は心配で仕方ないらしい。
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