私に恋を教えてください
「うん。とても、可愛い。一生懸命で悪気をぶつけられていてもひたむきで、そのくせ下を見ないで真っ直ぐだろう?可愛いし守りたいって思ったし、誰にも渡したくない」
須藤が真っ直ぐ侑也を見る。

「渡したくない……お前が、か」
それならば、その前に一つだけ確認しておきたい事が侑也にはあった。

「それは絶対に譲れない気持ちなのかな?」
「そうだな。彼女が欲しいし、誰にも渡したくないと思うよ。」

「彼女は箱入りのお姫様だ」
「だろうな。スレていないし」

「本当のお姫様なんだよ。だから、背景を考えたら、正直、本当は俺の方が釣り合うと思う」
「意味が分からない」

侑也は椅子に深く凭れて、組んでいた足を解き、身体を少し前に乗り出した。
「うちのビル、どこの会社が運営しているか、知っているよな?」

「……榊原……トラスト?」
「その榊原のお嬢だよ。彼女は」
侑也の挑戦的な瞳を、須藤は見返した。

「……だから?」
あははっ、と侑也は笑う。

「気にならないか?」
「別にならないな」
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