【完結】打算まみれの恋

 楽しむドラマも物語も基本的に格闘技や不良の高校生たちがトップを目指すようなもので、恋愛に関わるシーンは早送りをしている。

 コレクションしている映画の棚だってすべて肉体派アクションだ。

 そこから復讐モノなどに分類されていく。ここまでくると恋愛に興味がないのか、暴力を好みすぎるのか分からないけれど、姉は暴力、家族、友人、同性以外に対する関心がほぼない。

「今日、前に話した女の人が苦手な人と会うから」
「それならなおさら私が行かなくていいの? もし変な男なら対処しておかないと」
「大丈夫だって、じゃあ、行ってくるね」

 私はついていこうとする姉を制止して家を出る。

 待ち合わせは十二時に駅前だ。住宅街を抜け大通りに出ると人々の行きかう街並みが広がった。

 中には当然男の人もいて、その姿が視界に入った瞬間苦々しい気持ちが胸を占め始める。
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