【完結】打算まみれの恋


「お前彼女作るなら言えよ? 売り上げに関わるから」
「一生ないですよ。俺何でも楽しみたい派なんで」
「本当かよ。砥庭も同じこと言ってたぞ」
「いや実際、どんなに美味しくても同じもの食べるのキツくないですか? ずーっと同じもの食べ続けるなんてもう修行じゃないですか?」

 正直な話、和泉も砥庭も終わってると思う。

 彼女なんか作ったら飽きるし、浮気したら責められるとかマジで無理。結婚したら不倫とか名前が変わって、今度は金とられるとか恐ろしい法律まであるし。浮気なんて当たり前のことなのに。

「俺どんないい身体でいい顔でも三日続けたら飽きる自信ありますよ」
「それが飽きないんだよ。好きな女だの男だのが出来たら。って言ってたぞ二人とも」
「そんなん都市伝説っしょ! 同じものずっと好きでいるとか無理! あー、でも一日単位で顔変えてくれたらギリ女も飽きないかも……? おっぱいはデカければデカいほどいいから、顔変えるならおっぱいもやってほしいな」
「お前本当クズだな」
「ええ? 賢いって言ってくださいよ」
「賢い奴は自分のこと賢いって言えなんて頼まねえよ」
「はは確かに」

 またグラスを飲み干し、カウンターに置く。中央で躍っている女たちを値踏みしていると、そのうちの一人と目が合った。
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