【完結】打算まみれの恋


 半年前、私は大学でお世話になっている(はる)先輩にあるお願いをされた。内容は彼女の彼氏……の親戚に滝永(たきなが)漱史(せいじ)さんという女の人がとても苦手な人がいて、自他ともに認める男嫌いである私と文通をしてほしいというもの。

 その親戚はとてもかっこいい弟がいたことで数々の女難に遭った結果、女性を恐怖するようになったらしい。

 店員が女だとものを買えないほど重症で、だからこそ克服がしたいと女慣れのために文通をする相手を探し、結果的に私に白羽の矢が立った。

 私自身、社会に出たら嫌でも男と関わらなければいけなくなる。いつか男という生き物全方位に向けてしまう殺意を隠せるようにしなければと思っていたし、境遇に同情もした。

 だから要するに、滝永さんとの文通はお互いがお互いをカウンセリングするような形で始まった。

 
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