【完結】打算まみれの恋

「俺、お前の姉が好きなんだ。どうにか取り持ってくれないか」

 先生はふざけているように見えなかった。

 必死に「もうすぐお前の担任じゃなくなる」「家庭訪問でお前の姉を見た時から忘れられなかった」「お前にしか頼めない」と私に縋り付いてきた。その姿が恐ろしくて怯えていれば、先生は私を睨んだ。

「ずっと優しくしてやっただろ?どうして先生のお願いは聞けないんだ?」

 その言葉で私は悟ったのだ。今まで先生が私に優しくしてくれたのは教師だからではなく、姉のためであったと。

 以降私は男を憎み続けていたけど、最近は「関わってこなければいい」くらいに落ち着いてきている。

 きっかけは、私と正反対の存在を知ったからだ。

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