【完結】打算まみれの恋


「……でも、晴先輩のせっかくのお誘いですし」
「大丈夫だよ、行けなくなるから」
「は……?」

 まさか晴先輩までこの人は脅して……? 疑いの目を向けていると丁度晴先輩からメッセージが来た。彼氏が風邪を引いてしまって看病するからスキーは行けないと書いてある。

「あ、やっぱ駄目だったっしょ?」

 スマホを見つめる私に、滝永さんが喜々として近付いてきた。「えぇ~風邪ってまたベタな手段使ったなぁ」なんてにんまりとした笑顔を浮かべる。

「和泉束縛クソ野郎なのに彼女をスキーになんて行かせるわけないし。どうせ当日風邪治すにはね……ってクソキモいこと言ってるよ」

 ぽーんと滝永さんが私の部屋に置いてある『せいじくんぬいぐるみ』を壁に投げた。ぽこんと跳ね返った中にゴムボールが入っている感じはしなかったのに、バウンドしながら私へと一直線に向かってくる。
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