大人になってもまた君と
「睨んでも無駄だって言ってんのに。それにさぁ……もう抵抗、しないんだな」
「う、るさいっ……!ばーか!」
「ふっ……小学生か」
恥ずかしさで語彙力を失った私を小馬鹿にして笑う目の前の獣みたいな男。
その様子に私への愛情は欠片も見えない。
あくまでも私は玩具だとしか思ってないんじゃないか。
そんな疑念を抱いた私は、ここでちょっとだけ意地悪を言ってみたくなった。
「あっそう。そんなこと言うんだ。へぇー。……で、その、小学生みたいなやつを好きなのは誰なの?」
「俺」
つい出来心で……それこそ小学生じみたことを聞いてみると、一秒と経たずに返ってきた答え。
私で遊んでいたかと思えばこうやってたまに飴を与えてくるからどうしようもなくて、ずるい。
「小学生みたいなのに好きなの?健斗にそんな趣味があったなんて、知らなかったなぁ!」
それでも私は、真っ直ぐに見下ろしてくる視線から目を逸らしながらも、憎まれ口を叩き続けた。
……だって、酔ってないときに健斗に勝ちたいじゃん。
さっきたじたじになってたのだって、私が酔ってたからなんだもん。
今は勝てる気がする!根拠はないけど!
今度は即答しない?なにも言えなくなってる?
ってことは、私の勝ちでいいよね?
心の中で勝ちを確信して舞い上がっていたところに。
「俺は、はるが小学生でも大学生でもおばさんだとしても、全部好き」
なんて言われてときめいてしまった私の負けです。