今は秘書の時間ではありません
一樹は片付けを手伝ってくれた。

もしかして泊まって行くつもり?

私は一樹がどうするつもりなのかわからず、食後のコーヒーを淹れた。

まったりしている一樹。

「ねぇ、一樹。そろそろ帰らないと明日も仕事でしょ?」

「泊まっちゃダメなの?」

「ダメでしょ。今日だって遅刻したのに…。真面目な社長になったんでしょ?」

「うん…紗奈に認めてもらうためにも、会社のためにも俺きちんと働くよ。今日も真面目に働いてきたし。」

「なら帰らないと。」

「紗奈と一緒にいたい。紗奈、うちに引っ越してきなよ。」

「無理。」

「つめたいなぁ。俺は紗奈と離れられないって言っただろ。」

一樹は私の肩を撫でながら抱き寄せる。
いつの間にやら一樹は私を膝に乗せている。
髪を撫ぜられ、背中をさすられる。
服の下から背中に手が入りホックが外された。

「ちょっと…一樹…。」

「好きだよ、紗奈。」

一樹の手は私の肌を撫ぜ回す。
昨日感じた一樹の熱をまた思い出してしまう。
一樹の口で私の口を塞がれる。
服を捲り上げられ顔の前にシャツがくると、あらわになった胸を吸われ、舌で転がされると私は脱力してしまい、つい声が出てしまった。

「ねぇ、紗奈。ベッドに行こうよ。」

「うん…」

また今日も一樹に抱き上げられ運ばれてしまう。

あっという間に体が密着し、お互いの息が混ざり合うようになった。

一樹に求められて、愛されていることを感じさせられて幸せ…。
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