今は秘書の時間ではありません
あっという間に帰ってきた一樹はシャワーを浴びに行った。

私はパスタの仕上げをする。

テーブルに並べると一樹はシャツと下着姿で出てきた。

2人で並んで食べ始める。

「ごめんね、買い物行ってないからあるもので作っちゃって…。」

「そんなふうに見えない。すごく美味しい。」

「よかった。」

「今日みんなに紗奈が秘書で戻ってくれる話をしたんだ。そしたらすごく喜んでたよ。」

「ホント?」

「あぁ。それで、みんなに付き合う話もしといた。」

「どうして?!仕事しにくくなる!」

「まさか、しやすくなるよ。」

「ならない!」

「みんなが紗奈にちょっかい出さなくなるから俺の仕事がはかどる!」

「ちょっかいなんて出されてないよ。」

「気が付かないだけだよ。俺は気が気じゃなかった…だからごめん。」

「言っちゃった限り仕方ない。けど公私混同しません。」

「もちろん。」

「お互いの立場が悪くなるって分かってて、覚悟して言ったんだよね?」

「うん。秘書と付き合ってると言われ続ける覚悟のもとだよ。」

「わかった。」
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