今は秘書の時間ではありません
地元住民の意見、周辺環境や地域特性など多角的にリサーチを始めた。

俺だけの手に追えず智己の手を借りたいが表向き奴は室長のため俺が指示するわけにもいかない。

そのため室長補佐という名で新入社員を入れた。
俺の2つ上の先輩、橋本尚哉だ。先輩だが学生の頃から智己と俺は尚哉ととても気が合い本当なら一緒に起業しようと思っていた。
俺が親に呼ばれなければきっと起業していただろう。
だが、俺の事情を分かってくれアメリカでMBAを取ったりしている頃にはもう智己は秘書課で働き始めてくれた。
尚哉は他社で働き経験値を上げていた。俺の社長就任に合わせ転職してきてくれた。

尚哉は室長からの指示で色々動いているということで誰からも目を付けられていない。
現地に飛んでもらい聞きこみを始めてくれた。
もともと人懐っこい性格から尚哉はあっという間にリゾートホテルの反対意見を集めてきた。
日照権の問題でいざ建設が本格化する際には裁判を起こす予定もあることがわかった。

反対に地域に密着した話もたくさん聞いてきてくれ、これからの事業計画に役に立ちそうな話を持ち帰ってきた。

さぁ、再始動だ!
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