今は秘書の時間ではありません
「尚哉!なんで友永さんと仲良くなってるんだよ。」 
俺は直也を呼び出した。

「友永ちゃんいい子だから。ご飯食べてても話してても楽しいしさ。空気読める子だよね。お前が怒ってたから昼飯もそこそこに立ち上がろうとしただろ。お前のああいう態度どうなんだよ。」

「…怒ってない。」

「怒ってるだろ。お前が空気読めないのか?」

「…」

「明日で終わりなんだろ。気持ちよく送り出さないのかよ。本当に残念だよ。あんないい子が辞めるなんて。」

「辞めてもらいたくはない。」

「でもお前の態度がそんなじゃ、友永ちゃんだってさぞやりにくいだろうよ。」

「…」

「俺のどこを直したら続けてくれるんだ?」

「そんなのもわかんないんじゃダメじゃないか??この1ヶ月なに見てたの?」

「…」

「俺を見て辞めないって勝手に思ってた。」

「そりゃ凄い自信家だな。」

「…」

「でも辞めるのはなんでなんだろうな。お前の自信は砕かれたのか。そもそも砕かれるほど接近してないけどな。俺の方がよっぽどこの1ヶ月友永ちゃんのこと見てきたよ。だから辞めるのも納得だな。」

「だからなんなんだよ。理由は。」

「教えてもらうんじゃ意味ないだろ。」

そう言って尚哉は身を翻し秘書室へ向かった。
たしかにお昼を食べる姿は2人とても仲が良かった。
いつの間にこんなに仲良くなったんだろう。
俺、なにしてたんだろう。
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