どうにもこうにも~出会い編~
離した唇が再び私の唇に触れ、舌が入り込み自然にそれを受け入れた。舌で咥内をまさぐられ、舌と舌が絡み合う。頭がぼーっとしてきた。下腹部のあたりがうずうずしてじれったい。

 彼は唇を離し、枕に顔を埋めた。

「これ以上は歯止めが利かなくなってしまいます…」

「…?」

「もうこれ以上は、私を誘惑しないでくださいね。私はゆっくりと歩を進めたい。今日は進めすぎたくらいです」

 彼はごろんと私の横に移動し、腕を額に当てて天井を見上げた。

「すみませんね。私はおじさんなので、体力的な問題もあります。今日はもう寝ましょう。おいで」

 彼は自分の左腕を差し出した。腕枕というやつだ。私は彼の腕に頭を預けた。

「それでも一緒に寝てくれるんですね」

「ええ。離れがたくなってしまいました」

 くすくすと彼は笑う。

ぴたりと身を寄せ合い、すぐそばで彼の呼吸の音を聞きながら、温かい腕の中に包まれて私はいつの間にか寝てしまった。  

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