どうにもこうにも~出会い編~
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 実を言うと、少し勃っていた。痴漢から助けたはずなのに、まるでこれじゃ俺が痴漢じゃないか。電車の揺れのせいで度々俺の股間が彼女の左腰骨にやや食い込むように当たっていたのだ。不可抗力でもこれはまずい。自分に娘がいたらこのくらいの年頃だろう。そんな年の離れた女性に反応してしまうなんて、40も過ぎてなんと恥ずかしいことか。

 大きなカーブで車体が傾いた。身体が彼女の背中に密着してしまった。俺の熱くなったモノも当然彼女の臀部に当たる。

 「あ」

 「どうかしたんですか?」

 「いえ、なんでもありません」
 
 どうやら気づかなかったらしい。彼女に当たらないように腰をやや引き気味にして立ち直した。幸い密着を回避できるくらいの空間の余裕はある。

 「石原さん、苦しくありませんか」
 
 彼女の意識を逸らせようと慌てて言葉を継ぐと、彼女の身体がびくりと跳ねる。

どうしたんだ?やっぱり気づいていたのか?

 「く、苦しくないですよ」
 
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