もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜
すると、階段の踊り場で高野さんと鉢合わせた。
「こ、もりさんっ」
「はぁっ、高野さんっ、花宮先輩知らないっ?」
「っ!」
膝に手をついた私を見下ろし、高野さんは目を大きく見開く。
そして、何故か私の背中を力強く叩いた。
「さっきまで非常階段にいた!!」
「へっ? えっ?!」
「多分もう昇降口っ! 早くっ!」
「う、うんっ! ありがとう!」
「頑張れ! 小森さん!」
私は高野さんの言葉に背中を押されるように、再び駆け出す。そしてやっと昇降口に辿り着いたとき、花宮先輩の背中を見つけた。
しかし、先輩は下駄箱の前で二年生の女子と会話している。その表情はとても冷たい。
流石に話しているところに割り込むのは気が引けて、廊下の角に隠れ、先輩女子がいなくなるタイミングを待っていると、甲高い声が聞こえた。
「そんな、異性を惹きつける顔してるくせに! 愛想も振りまかないなんてどうかしてる!」
「なんで、よく知りもしない人間にそんなことしないといけないの」
「一年生の頃はもっと笑ってたじゃん、みんなの王子様みたいに! 私とも結構仲良くしてたし、彼女と別れたなら付き合おうよ!」
「無理だから」
「……っ」