もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜
「……ワガママなのは分かってます。後悔してるんです」
「…………」
「自分勝手でごめんなさい。でもやっぱり、きっと、この先も、ずっとずっと諦められない」
「……奈湖」
「この先、どんな人と出会っても、先輩以上に想える人なんていない」
先輩を抱き締める腕を解く。心臓の音がいい加減うるさい、体温まで異常に上がっていく。
そして、再びスカートを握りしめ、言葉を続けた。
「花宮先輩が、大好きです」
「私のはじめて、やっぱり、これからももらってくれませんかっ……?」
都合がいいのは分かってる。
けど、これが今の私の気持ち。やっと気付いた、抑えることなんて出来ない本音。
俯いて小さく震えていると、黙っていた花宮先輩の手のひらが、私の頬にぴたりと触れた。