もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜




「見てて腹立つんだよね。いつも不自然な笑顔で、まるで自分がない。そんな人間に何言われても響かない」
「…………」
「それと、いつも一緒にいるあの二人、本当に友達っていえるの?」



 ガツンと、頭を殴られたような衝撃だった。


 なんで?私がしてきたことは間違えじゃない。だからこそいま一緒にいる友達がいるし、逆に高野さんは一人なんでしょ?


 周りから浮きたくない、空気読まなきゃ、それっておかしなことじゃない。だって、間違えてることに真っ向から対抗しても、どうせ爪弾きに合う。


 なんでそんなこと言われなきゃならないの?


 私だって、ずっと悩んだり、息が詰まる思いをしながら、平凡に、周りと同じように高校生活を送ることを望んでる、それだけなのに。


 なんで、なんでも思ったことをして、たった一人になった高野さんのことを羨ましく思うの?


 ────私は、もう以前の自分とはさよならしたはずなのに。



 高野さんは、廊下の端で動けなくなった私を置いて、先に行ってしまった。


 どうしよう、決めたことが揺らぐ。ダメだ、私。



「(どうしたらいいの?どうしたいの?)」





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