もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜
はじめてのキス
「奈湖、どうしたの?」
「えっ、あっ、すみませんっ」
「パフェ、美味しくなかった?」
「すごく美味しいです!」
私の目の前には、インスタ映えしそうなフルーツパフェが。
そして、テーブルを挟んだ向こう側には、アイスカフェラテを飲む花宮先輩が座っていて、こちらを美しいご尊顔で見つめている。
「それならいいけど……せっかくの初放課後デートなのに、上の空なんて寂しいな」
「ごめんなさい……」
「あはは、うそだよ、うそだから。そんなにしょんぼりしないで」
高野さんとの一件があった放課後、委員会活動が終わり、先輩にデートに誘われた。
私の弱点を突くような、あの言葉が刺さりに刺さっていた私は、正直乗り気ではなかったけど、手を引かれるがまま街に繰り出した。