もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜



 そして、連れられて来たのは、駅前の通りから少し外れたところにある隠れ家的なカフェだった。


 外観はこじんまりしているのに、中に入ると、白を基調としたお洒落な内装に、モダンなインテリア、顔を上げると天井から吊るされた照明がシャボン玉や花火のような形をしていて、細かいところまでこだわりを感じる。おまけに店員さんの愛想もいいし、パフェも美味しい、素敵な場所だ。



「先輩、なんでこんなにいいところ知ってるんですか?」
「この前、パフェとパンケーキどっちが好き?って聞いただろ?それで頑張って調べたんだ。雰囲気とパフェが美味しい店」
「えっ……!わざわざありがとうございます!」
「ううん、気にしないで。調べるの楽しかったよ?他にも良さそうなところあったから、今度一緒に行こうね」



 私のために調べて連れて来てくれたのに、上の空なんて申し訳ないことをしちゃった。先輩がこてっと首を傾けると、サラリと前髪が目にかかって、色っぽくてドキドキする。


 けど、嫌なことを忘れてしまいそうなくらいここのパフェは美味しい。バナナにメロンに苺、どれも贅沢に大きくカットされていて、バニラのアイスクリームが濃厚な代わりに、生クリームがさっぱりとしてる。




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