麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない
会場の近くまで送ってもらい、関係がバレないように別れる。
気合いを入れ直して城門の前に立つと、門番を任されているらしい若い騎士が声をかけてきた。
「そこの少年。ヨルゴード城への一般人の入場は許可されていない。用がなければ、すぐに立ち去りなさい」
「用ならあります。ぼ、僕は入団試験を受けに来たんです」
鞄から受験票を取り出す。
ハーランツさんが偽装した紙切れなのだが、本物と遜色ないため、門番は驚いて目を見開いている。
「最終試験の受験だと? お前のような子どもが?」
「はい。早く通していただかないと、面接時間に遅れてしまいます」
「うーん……ならば、入って右手の広間に向かいなさい。そこが受付と控え室になっている」
ぺこぺこと頭を下げて足早に門をくぐる。怪しまれつつ、なんとか城内への侵入に成功した。
ザヴァヌ王の居城はどこもかしこも高そうな調度品ばかりで、白を基調とした壁に黄金の装飾が施されている。