麗しの竜騎士は男装聖女を逃がさない
ガタイの良い四十代くらいの男性は腕組みをしたままこちらを険しい顔で睨んでいるし、制服を着崩した茶髪の男性は頬杖をついてめんどくさそうにしている。
ここにいる人は、皆、なにかしらの上位階級を与えられた騎士だ。体つきや風格から、一瞬見ただけで歴戦の猛者であるとうかがえた。
こわい。圧が強すぎる。
「やっと最後の受験者か? ずいぶんと弱そうな男だな。筋肉のつき方も鍛錬不足だ。まるで女みたいな細さだぜ」
「イグニス、余計な発言はするな。最終試験まで残ったならばそれなりの実力の持ち主だろう。それにしても、こんな小さな受験者、二次の実技にいたか?」
ぎくり。
いきなり疑いの眼差しで見られて動揺が走る。
面接までの採点に上層部はあまり関与しないそうだが、さすがに最終試験に進む受験者の情報は頭に入っていたのだろう。
いきなり見覚えのない私が現れて、不審に思っているようだ。
「たしか、受験番号はぴったり五百番までだった気がしたが……五百一番は初見だな」
面接官がざわざわと話しだして冷や汗をかく。なんて誤魔化せばいいの?