エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
窪塚は私の言動に驚いているのか、僅かにビクッと反応してから凍り付いてしまったかのように動かない。
まぁ、確かに、これまでの私では考えられないような言動だったのだから無理もないのかもしれない。
それについては自分でも吃驚なのだが。それにしてもなんとも気まずい沈黙が降りてしまっている。
窪塚からどんな反応が返ってくるだろうか。
不安と緊張感に見舞われた私の鼓動は暴走していてやかましいほどだ。
もしも拒否なんかされようもんなら、しばらく立ち直れないかもしれない。
ーーこんなの私らしくない。
自分でもそう思う。でも、どうしたらいいかがわかんないのだからどうしようもない。
どうやら恋をすると自分の感情さえもコントロールできなくなってしまうようだ。
ーーこんなのもう嫌だ。
今更そんなこと思ったところで、もう手遅れ。一度踏み込んでしまったら、もう後戻りなんかできない。
ただただ祈るような心地だ。
人を好きになるってことがこんなにも苦しいものだなんて知らなかった。
数秒ほどの沈黙がとてつもなく長く感じられる。
いよいよ耐えかねた私が何かを放って、沈黙を破ろうとしていたところに、ようやく窪塚の声が耳に届いたのだけれど。
「……今でも……のか?」
「……え?」
その声があまりに頼りないものだったためにすべてを拾うことはできなくて。