エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
別に私のためって訳じゃないんだろうけど、それでも、こうして表向きには彼女である私のために、羽田に怒ってくれていることも含めて、何もかも全部、どうしようもないくらい、嬉しくて仕方ない。
不謹慎にも乙女モード全開でひとりお花畑にトリップしたような心持ちでいる私の傍で、依然窪塚の低い声音が轟いていて、それがどんどんヒートアップしている気がする。
対して、窪塚と対峙しているどうにも往生際が悪いふてぶてしいワンコは、笑って誤魔化そうとしているようだった。
そりゃあ、窪塚の怒りがおさまらないのも当然だろう。
「しらじらしいこと抜かしてんじゃねーぞ。このくそワンコ。妙なこと仕組んで、人の大事な彼女に手ーだしてるよーな暇があるなら、さっさと医局に戻って勉強でもしてろっ!」
「……いや、別にそんなことしてませんって」
「ーーッ!!」
気迫に満ちた窪塚に完全に追い詰められて萎縮しながらも、釈明しようと尚も食い下がる羽田に、とうとう窪塚の堪忍袋の緒がブチッと切れたような派手な音が聞こえた気がした。