エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 堪忍袋の緒が切れる音がした気もするけど、ぐっと目を閉じ耐え凌ぐ。

 誰が欲求不満ですって? 冗談じゃないわよ。フンッ!

 でも、もう何を言われても耳なんて貸さないんだから。なんとでも好きに言えばいい。

 どうせ、そうやって私のこと挑発して怒らせて、自分のペースに引き込もうとしてるんでしょ?

 そんな手に乗るもんですか。

 ゲッスいあんたの魂胆なんてお見通しなんだから。

 どうにかこうにか怒りを抑え込み、窪塚のゲッスい挑発にもなんとか耐え抜き、顔をプイッと背けてシカトを決め込んでいる私の耳に再び窪塚の声が届いた。

「今度はシカトかよ? ってことは全部図星なんだなぁ。へぇ。院長の愛人なんて噂されて、ビッチなんて呼ばれてる女が男ひでりとは傑作だな。お前の熱烈な取り巻きが知ったら、喜んで彼氏に立候補してくれるんじゃねーの? 見物だな」

 それでも、窪塚の挑発なんかには乗るもんか、とシカトを貫くために、怒りに打ち震える拳を握りしめ、ぐっと奥歯を噛みしめて耐え凌いでいたのだが。

 最後の最後、窪塚がなにやら含みを持たせた物言いで放った、『見物だな』という言葉に。

 絶対、よからぬことを企んでいるに違いない。

 これまでいけ好かない男だとは思っていたけど、ここまで最低なクズ男だとは思わなかった。

 ーーもう、我慢ならない。
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