エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

「さっきからなんなのよ? 努力なんかしなくても、なんでもできるあんたは女の子と遊び回ってるのかも知れないけど。

努力しないといけない私は、内科の専門医になるために、睡眠時間も削って、必死で勉強しなきゃなんないんだから、男と遊んでるような暇なんてないのッ! 

それに、私はあんたと違って、恋愛なんて必要ないのッ! だから、あんたのセフレなんてして遊んでるような暇もないの。分かったらさっさとどけッ! このクズ男!」

 未だ愉しそうに組み敷いた私のことを見下ろしている窪塚めがけて、盛大な啖呵を切ったお陰で、もう息も絶え絶えだ。

 怒りと興奮のせいで、なんだか頭もクラクラとしてきた。

 当直明けなのだから無理もない。

 私と同じ当直明けのはずの窪塚は、長丁場のオペの助手までしていたというのに、どういうことだろうか。

 日頃から鍛えているせいなのかなんなのか、まったく疲れた素振りも見せないどころか、私の啖呵にもまったく堪えてはいないご様子だし。

 えらく納得したように一度だけ頷いてから、「へぇ」とだけ零したきり、何か考え事でもしているのか、視線を宙に彷徨わせている。
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