エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
「あらあら、隼ってば、あんなわかりやすい嘘なんかついちゃって。あなたたちに泣き顔を見られたくないだけだから、気にすることないわ」
「ーーえッ!? そうなの?」
「そ、そうだったんですか」
母の言葉に驚きを隠せないでいると再度母から、父の言動についての説明がなされた。
「実はね。もうとっくに許す気ではいたのよ。でも、いざ二人を前にすると、寂しくなっちゃったのよ、きっと。お父さん子だった鈴がとうとうお嫁に行っちゃうって」
ーーああ、なるほどね。パパらしいや。
私が納得していたその傍らで、母から窪塚へ向けての声がかけられた。
「窪塚君、鈴は、私に似て気が強くて頑固なところがあるけど、意外と弱気なところがあるから、よろしくお願いしますね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
二人のやり取りに耳を傾けていたら、ようやく、両親にちゃんと窪塚とのことを認めてもらえたんだ。という実感が込み上げてくる。
ーー両親にも許してもらえて、これでようやく窪塚と本物の恋人同士になれたんだ。なんだか夢みたい。
思わずほろりときて涙ぐんでしまう。そこへ、隣の窪塚と話していた母とのやり取りが耳に流れ込んできた。
「あらあら、鈴まで。さて、私は隼のことを慰めないといけないから、これで失礼するわねぇ。窪塚君、鈴のことはお願いね?」
「はいッ! ありがとうございました」
そうして母が部屋から出て行く気配がしてすぐに、私は窪塚のあたたかな胸へと抱き寄せられると同時に、窪塚からとっても嬉しそうな声音が届いた。
「鈴。許してくれたご両親のためにも目一杯幸せになろうな。いつかご両親みたいに仲のいい夫婦になれるように」
「……うん」
ちょうど同じことを思っていたものだから、もうそれだけで嬉しくてどうしようもない。ますます感極まってしまった私は、窪塚の腕の中でしばらくの間泣きじゃくっていた。