堂くん、言わないで。


ルナちゃんは大きな猫目をキッとつりあげて、立ちあがろうとした。



「待って!ごめん、ちゃんと話すから」

「ほらまた謝った。あんたのそーいうところがさぁ、」


途中まで言って、いきなりぶつ切り。


ちっと舌打ちをしたルナちゃんはしぶしぶベンチに腰を下ろす。



なにから話せばいいか迷ったけど、ひとつずつ話していくことにした。


図書室でわたしのこと話してるのを聞いたこと。

噂は半分誤解のところもあるってこと。


文字にしてみればたったふたつの出来事だったけど、言葉にしたら膨大な量になってしまった。


それでもルナちゃんはわたしが話し終わるまで黙って聞いてくれていた。


途中、何度か『うざ』とか舌打ちはいただいたけれど。



わたしが話し終わったとき、ルナちゃんは2本目のパックジュースを飲んでいた。


< 139 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop