君との恋の物語-Reverse-
「この間はごめんね」
これが第一声だった。
ごめん、かなり追い詰めてしまっていたんだな。
『いや、俺こそ‥。』
話そうと言ってくれたのはさぎりだ。
だから、先にさぎりの言葉を聞こう。
「ねぇ、やっぱりちゃんと話してほしい。厨二達のこと、どうして急にやめたくなったの?」
ありがとう。今ならストレートに聞いてくれた方が答えやすい。死ぬ程恥ずかしいけどな。
『うん‥それは‥。』
ここまできたらちゃんと言え!
しかも本題はそれじゃないだろう??
『前田が、俺よりかっこいいからだよ。』
よし。今度はちゃんと本音が口を突いて出た。
「それってどういう‥」
嫉妬。だよ。
『4人で出掛けるってことは、さぎりと前田の距離も近くなるってことだ。あいつは、俺よりずっといいやつなんだ。だから‥』
不安なんだ。この不安を乗り越えさせてほしい。
「私は、君のことだけ好きなんだよ?」
わかっているよ。痛い程。
『わかってるけど‥』
消えないんだ。この寂しさが。
「私、君のこと、ちゃんと支えられてないのかな?‥」
そうじゃない。俺を支えてほしいんだ。「君」じゃなくて。

『そんなこと』
「だってそうでしょ!?こんなに大好きなのに、君は不安なんでしょ?支えてあげるどころか、それじゃかえってお荷物じゃない‥」
今度はさぎりの方が混乱してしまったみたいだ。この間とは逆。だけど、今ならちゃんと
『そうじゃないんだって‥』
ただ、なんと言ったらわかってもらえるんだろうか。





そうか。俺も今本当の答えがわかった。
気付いてほしいんだな。さぎりに。俺が何故不安なのか。何故寂しいのか。
俺、こんなにめんどくさいやつだっけか。。?
『ちょっと‥どこいくの?』
さぎりがふらっと歩き出した。
考える時間が必要。。なのか?





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