愛され、囲われ、堕ちていく
裕隆は、伊織と敬太の幼なじみにして親友だった。
小さな時からいつも一緒にいて、三人が三人とも大切な親友だった。


裕隆は伊織や敬太と違って、とても穏やかで優しい男だった。争うことが嫌いで、伊織や敬太の喧嘩を止める役だった。
そんな裕隆だが、力はそこまで強くないがいつもことある毎に仲間を守る為なら、俺はいつでも戦うと言っていた。

そんな裕隆に凪沙が心を奪われるのは、当たり前と言っていいだろう。
紅音を通じて、いつも一緒にいた。
裕隆も気は小さいが優しい心の持ち主の凪沙に、惚れるのも運命のようなものだった。

でも、伊織に凪沙を紹介した事で全てが狂ったのだ━━━━━

「なぁ、裕隆」
「んー?」
「凪、俺にちょうだい!」
「は?冗談やめてよ!
凪は、俺の彼女だよ!
それに凪は、物じゃないよ」
「俺が生きてく為に必要なモノだ!」
「………伊織、そんな言い方…いくら俺でも怒るよ!」
「へぇー、お前が俺に勝てんの?」
「勝てる勝てないじゃない!
凪をモノ扱いしないでって言ってんの!?」

裕隆はいつも冷静に、伊織に意見する。
ただ、まっすぐ正論をぶつけるのだ。

「凪を俺に渡せ……」
「………やだよ」
「裕隆!!」

そして、裕隆の決定的な一言がチーム内を地獄に落とした。

「いくら伊織でも、凪は渡さない」

その言葉で、伊織が裕隆に殴りかかり裕隆はなぶり殺しになった。
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