不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 

「牡丹ちゃんって、高校のとき、俺に憧れてくれてたんだろ?」

「えっ⁉ な、なんで森先輩がそのことを……」

「ははっ、実はね、藤嶋から聞いたんだ。それで、あとからどんな子だろうってコッソリ見に行ったこともあってさ。名前はそのときに藤嶋から聞いたんだよ」


 予想外のことばかりで、私は目を白黒させてしまった。

 だって、私が森先輩に憧れていることを、灯が森先輩本人に話していたなんて知らなかった。

 っていうか、だとするとそれを灯が先輩に話したのは、私と公園で結婚についての話をしたあとってことになる。

 だって私はあのとき初めて、灯に森先輩に憧れていることを打ち明けたんだし……。

 でも、たしか前に灯が言ってた話だと、そのときにはもう私のことが好きで、森先輩との仲を取り持つつもりなんて少しもなかったくせに、なんでわざわざ私の話を先輩にしたんだろう。


「俺の幼馴染の山城牡丹ってやつが、お前に気があるらしい……だったかな、確か」

「それ、本当に灯が森先輩に言ったんですか?」

「うん。で、だけど俺はその山城牡丹が子供の頃からずっと好きで、将来結婚しようと思ってる。だから、もしもお前が牡丹に興味を持ったとしても、常に俺っていうライバルがいるってことを忘れるな──なんて、面白すぎる忠告を受けたんだよ」


 楽しそうに笑った森先輩を前に、私は空いた口が塞がらなかった。

 灯がまさか、そんなことを森先輩に言っていたなんて……。

 ということは、灯はあのとき私が口にした気持ちを、一応、森先輩本人に伝えてくれていたんだ。

 それで、その上で自分の気持ちも森先輩に伝えて、話を聞いた森先輩が私に興味を持ったあとも正々堂々、先輩と戦おうって思っていたってこと?

 
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