不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「ああ、うちの両親には無事に産まれたことを伝えたよ。それと……牡丹のご両親にも俺から一報を入れておいた」
「そっか……」
ホッとしたような、心に靄がかかったような複雑な気持ちになる。
両親は灯から娘の出産報告を受け、どんな言葉を灯にかけたんだろう。
うちの娘も灯くんの子を産んで、ようやく妻としての役目が果たせたね、とか?
でも、女の子じゃ藤嶋家の跡取りとしては不安だから、次は男の子を産むように牡丹には言わなきゃね……なんて、妊娠報告したときのようなことを言ったりしたのかな。
考えれば考えるほど嫌な想像ばかりが膨らんで、胸の奥がズクズクと鈍く痛んだ。
両親の反応について聞く勇気もなく、私はベッドの上で上半身を起こした状態で黙り込んでしまった。
「……実は、ご両親についてもうひとつ、牡丹に言わなきゃいけないことがある」
と、不意に話を切り出したのは灯だ。
「牡丹がここに入院した初日に渡した安産祈願のお守りあっただろ? 実はあれ、牡丹のご両親から預かったものだったんだ」
「私の両親から……?」
思いもよらない言葉に目を見開くと、灯は静かに話の続きを始めた。
「牡丹がご両親に妊娠報告に行ったあとしばらくして、俺は牡丹に内緒でご実家に伺った」
そこで灯は自分の私に対する気持ちと、私が一方的に結婚を決められたせいで深く傷ついたこと、それらすべての責任は自分にあるということを伝えて、両親に謝罪をしたらしい。