不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 


「ううん、どうしてもここがよかったの。灯とふたりで、ここに来て海を眺めたかったから」

「ふぅん……。まぁ、牡丹がいいって言うならいいけどさ」


 私がオレンジジュースに口をつけると、灯はほんの少しだけ不貞腐れた様子でレジャーシートの上に仰向けで寝転んだ。

 前々から今日のことを計画していた灯に、どこか行きたいところはないかと聞かれて、この場所を指定したのは私だ。

 でも、灯は私のせっかくの誕生日だからって、もっと贅沢ができるようなところに連れて行きたかったみたい。


「ねぇ、灯。もしかして、拗ねてる?」

「別に。今日は牡丹がしたいことをして、行きたいところに行くって前々から決めてたし、牡丹がいいって言うならこれが正解だろ」


 投げやりに言った灯は、やっぱりちょっと不貞腐れてる。

 私は持っていたオレンジジュースの入ったカップを置くと、すでに寝そべっている灯の隣に寝転んだ。


「風が気持ちいいね」

「まぁ、海近くだしな」

「灯はさ、覚えてる? 子供の頃、親に内緒でふたりで冒険しようって話になって、この公園を目指したことあったよね」


 あれは私達がまだ小学生だった頃のことだ。

 確か私が小学三年生、灯が五年生くらいだったと思う。

 
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