不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
バカな俺は牡丹の一番そばにいる男は自分だと安心しきって、余裕ぶっていたんだ。
気がつけば牡丹の心は他の男のものになっていて、ショックを受けている俺は牡丹の視界にすら入っていなかった。
牡丹が会うたびに胸を高鳴らせ、頬を赤く染める相手は俺じゃない。
森が牡丹の好意に気づいて、ふたりが付き合うことになったら──?
なんて、そう思ったらたまらない気持ちになって、気がつくと俺は牡丹に残酷な言葉を吐いていた。
『もし、牡丹の勝手で破断になるようなことがあればどうなるか、さすがの牡丹もわかるよな?』
俺がそう言えば、優しくて責任感のある彼女がどういう選択をするかなんてわかりきっていた。
たとえ父親や母親と揉めて喧嘩していたって、牡丹は絶対に家族や周りの人間を裏切るようなことはしない。
そして、その結果が今だ。俺は力づくで彼女の夫という立場を手に入れ、過去と同じくくだらない嫉妬心に負けて彼女を抱いて傷つけた。