不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 

 まず第一に、悪阻の症状だ。

 悪阻にも吐き悪阻から食べ悪阻、匂い悪阻によだれ悪阻なんてものまで、種類は色々あることを知った。

 読んだ感じだと、私は吐き悪阻の症状に当てはまる。今この瞬間も胃がムカムカしているし、二日酔いでもないのに吐き気はするし、気持ちが悪い。


「もう……覚悟を決めるしかない、よね」


 一通り調べ終わったあと、私はようやくビニール袋の中に入っている細長い箱を取り出した。

 そして箱の中から、早期妊娠検査薬をひとつ取り出した。

 やり方の説明書もしっかり読んで、今日は散々お世話になったトイレに向かった。

 数分後……結果は、陽性。

 念の為にと、二本入りのもう一本でも試してみたけどどちらも結果は同じだった。

 ふたつの小さな丸い窓には、くっきりと青い線が浮かび上がっている。

 妊娠検査薬の精度は九十九%と、ほぼ確実のものらしいので、私は現実を受け入れざるを得なかった。


「どうしよう……」


 第一声は弱気な言葉だった。同時に今、自分の中に小さな命が宿っているのだと思うと、とても不思議な感じがして胸が震えた。

 目にはじわじわと涙の膜が張ったけれど、どうして泣きたくなったのか理由はわからない。

 お腹の子の父親は間違いなく灯だ。下腹部を撫でたらいつもよりも温かく感じて、心苦しくなった。

 
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