不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「灯に……なんて言ったらいいの……」
ダイニングの椅子に腰掛け、顔を覆った私は改めて自分の置かれた立場を考えて頭を抱えた。
まず、今回の妊娠は私にとっては予想外のことだった。もちろんそれは、灯だって同じだろう。
あの、たった一晩での行為で妊娠するとは夢にも思わない。
けれど、こうなった以上は灯だけでなく私にも責任がある。
灯に……ちゃんと、妊娠したことを伝えないと。これは私だけの問題じゃないし、お腹の子のことを考えたら早急に打ち明けるべきだということもわかっていた。
でも、もしも灯に伝えて、灯に嫌な顔をされたら? お腹の子を堕ろせと言われたらどうしよう。
そもそも第一に、私はどうしたいんだろう。あんな形で結婚した灯との間に授かったこの子を……ちゃんと愛して、育てられるの?
「牡丹? 大丈夫か?」
「え……」
と、ひとりで思い悩んでいたら、不意に背後から声をかけられて肩が揺れた。
弾かれたように顔を上げて振り向けばビニール袋を手に持った灯が立っていて、私は思わず目を見張った。
「な、なんで灯が……」
悩んでいたせいで、灯が帰ってきたことにも気付かないなんて。でもそれほど私が動揺していたということだ。