円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
赤田さんは、必死に言った。


きっと佐々木先生のこと、演劇部の顧問として慕ってたんだな…


『その部員っていうのは…中島 真由さんだよ』


『え!真由が?』


赤田さん、かなり驚いてる。


『ああ。中島さんは最近先生と部室に残ることが多かった…とも聞いたんだけど…』


『…それは…佐々木先生が、今回の劇の脚本に「ナレーション」を入れた方がいいと思うからって急に提案してくれて。声がよく通る真由にナレーションを頼んでました。追加する内容を練習が終わってから一緒に考えようって…「数回」残ってたのは知ってます』


『佐々木先生が中島さんを叱る程、ナレーションに力を入れてたということ?』


私が言うと、


『でも…そんなことで先生が真由を叱るとは思えないです。真由は私と違ってちゃんとしてるし、優等生なんです。それに、真由と私は部長と副部長ですから、何か叱られたりしたら話してくれたと思うんですが…』
< 54 / 103 >

この作品をシェア

pagetop