今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「ただいまー、うわっ」
「おかえりなさい」
瀬戸の家に帰ると千桜が玄関を開けたところに座って待っていたのでびっくりした。
「こんなとこで何してるんだよ?」
「翔くんを待ってたの」
俺が矢代さんから勉強を教えてもらっている間、千桜には学校から帰ってから1人で留守番をしてもらっていた。
待っている間、心細かったのかな。
いつも寝る時に抱いているレッサーパンダのぬいぐるみが彼女の膝の上に乗っている。
幼い頃から寂しい時はこのぬいぐるみを離さないのが彼女の癖みたいだ。
それは彼女の亡くなった母親の形見だから、精神的な支えみたいなものなんだろう。
高校生になった今でも変わらないな。
千桜は凄く寂しがり屋だ。
「遅くなってごめん」
「ううん、いいの。お勉強だったんでしょ?」
「ああ」
「大変だね、学校の勉強以外にもやらないといけないなんて」