今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

背中を抱いて優しく撫でた。


「翔くん」


「何か気になることがあればいつでも俺に言うんだぞ」


「でもなんて言ったらいいかわかんない」


「どうして?」


やっぱりなにか心配事があるんだろうか。


「だって恥ずかしいし」


そう言って俺の背中にまわした手に力を込める彼女がたまらなく愛おしい。


「どうした?言ってくれなきゃわからないよ。心配になるだろ」


「うん」


彼女のためらいがちに揺れる瞳を見るとドキドキと胸が高鳴る。


千桜は俺を翻弄する天才かもしれない。


「愛華さんて……」


「え?愛華」


「今日は会った?」


「ああ、愛華なら今日は会わなかったな。むこうもいろんな習い事で忙しいから」


「えっ、そうなんだ」


びっくりしたようなホッとしたような声。


ああそっか、愛華のことを気にしていたのか。

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