今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「どうして?」


「だって」


「チーは俺の彼女になってくれたんじゃなかったのか」


不満げにこぼしたら彼女はため息をついた。


「うんそうだけど、でもここじゃあ」


千桜はモジモジしながら玄関扉の方を見る。


ああそうか、そういうことか。


ここは玄関だし、もうすぐ両親が帰ってきそうな時間帯だ。


今ドアが開いてこんな風に抱き合っているところを見られでもしたら言い訳するのが難しいだろうな。


いくら仲良し兄妹でもこんなに濃厚に抱き合ってたらまずいよな。


だけど俺はまだ離したくなかった。


「チーもう少しだけ……」


彼女のことが好きで好きでたまらない。


この感情を抑えることが全然できそうにないんだ。


彼女は潤んだ瞳で俺の出方を伺っている。


まだ両手で口元を隠したままで、瞳を大きく見開いていて耳が赤くなっている。


「チー、目を閉じて」


片手だけで彼女の両手を掴んで顔が見えるようにした。
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